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チャレンジャーズ

02社長座談会



2003年7月、サッポロライオン初の「プロパー社長」となった山崎範夫は、大学時代のアルバイトからそのキャリアをスタートさせた、ライオン史上最も「現場に精通した社長」でもあった。彼は社長就任直後から全国の店を回り、社員はもちろんパート、アルバイトのスタッフの声にも熱心に耳を傾けていた。
「そういえば、オレが若い頃には社長と直接話をする懇談会みたいな機会があったな」
店を訪れるたびに若者たちの熱い思いを感じていた山崎は、もっと時間をかけて、深く彼らと話をしたいと思った。
「新しい意見をどんどん取り入れて、会社を変えていこうじゃないか」
堅苦しいルールを設けるつもりはないが、言いたいことを言うだけの自己満足の場では意味がない。原則として入社5年以内の若手社員が、4人一組でひとつのテーマを選び、それを社長にプレゼンテーションする形にしよう。荒削りでもキラリと光る意見は、すぐにでも経営に取り入れていこう。こうして「社長座談会」は誕生した。









「それではダメだね」
最初の座談会で「同じブランド名を掲げる店でオペレーションが異なるのは良くない」というプレゼンを行った若手チームは、即座に社長のダメ出しを受けて凍りついた。
「オペレーションを統一すべきだという意見は、それはそれで結構。しかし君らの発表には、現状のどこがダメなのか、なぜ統一すべきなのか、そして統一すべきなのはどの部分なのか、それにはどのようなステップが必要なのか、そういった議論の骨格が抜け落ちてる。
薄っぺらいんだよ」
発表の欠点をバッサリと切り捨てた山崎は、「それじゃ伝わらないんだよ。現状のダメ加減をトコトン明らかにしてくれないと。本気でやりたきゃ、もっともっと今の姿を洗い出さないと。そこから具体的な提案というものが生まれてくるんだ」と若者たちの目を見据えた。
若者たちは、この時はっきりと知った。
社長が、いやこの会社が求めているのは、単なる“若者の不平不満”や“思いつきの提言”ではない。本当に会社を良くするための具体的な意見と、それを形にする実行力なのだ。

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